osa5635’s diary

動物と動物園のお話

やあ、ゴーゴ


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 大阪の天王寺動物園は日本で2番目に古く100年以上の歴史を持っています。過去様々なスターアニマルたちが人気を集めてきましたが、ホッキョクグマも注目度の高い存在でした。中でも2004年5月まで暮らしてくれたユキコさんは計8回も出産しました。ただ、ホッキョクグマは出産より生育の方が難しく、それまで北海道の動物園以外の生育例は皆無だったのです。ユキコさんは2度目に出産した1頭を無事育て上げ、本州初の快挙を成し遂げました。その後1998年まで8回出産し4頭を生育したのです。

 そのユキコさんが2004年に天寿を全うすると、内外から高い評価のあった天王寺動物園ホッキョクグマがいないという状況になってしまいました。そこへ2006年3月にやってきたのが、当時1歳半のゴーゴさんだったのです。 


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 ロシアのベルミ動物園からの入園、その諸経費を賄ってくださったのが、関西ではおなじみ「大阪名物▪豚まん」の「551の蓬莱」さんでした。そこで551(ゴーゴーイチ)からゴーゴと名付けられました。

 ゴーゴという名前の響きに加えその愛くるしい仕草などから、ゴーゴはたちまち人気者となりました。ホッキョクグマの仕草というのはもともと可愛いのですか、ゴーゴさんはなんと表現していいのか彼独特の特別感があります。加えて、ゴーゴさん、どんくさい。2、3歳の頃はホントよく転んでいました。それに彼の特徴として、額部分の黒くなった傷痕があげられます。彼のことですから、何かに夢中になるあまり額をどこかにぶつけてしまったのでしょう。


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 そんな彼にファンクラブが生まれたこともありました。それも女性がほとんどです。たくさんのカメラが彼に向けられ、黄色い声も飛ぶほどでした。

 面白かったのは、ゴーゴさんのお嫁さんとして浜松市動物園からバフィンさんがやってきたときのこと。2011年のことで、このときゴーゴさん6歳、対してバフィンさんは19歳でした。ものすごい歳の差です。ホッキョクグマの寿命はおおよそ25歳とされていますから、ゴーゴさんが思春期の始まった頃ならばバフィンさんはバリバリの中年女性といったところでしょうか。21世紀生まれのゴーゴさんと20世紀女性のバフィンさんのカップルです。


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 それがゴーゴファンたちには面白くない様子でした。どうせなら、歳が近くて可愛い女の子がいいとでも思ったのでしょうか。バフィンとファンの間に嫁姑のような関係が生まれてしまったのです。とにかくバフィンさんが何をやっても面白くないようでした。

 天王寺動物園ではホッキョクグマの食事に生きた鯉を与えることがあります。そのままプールに投げ込むと、泳ぐ何匹もの鯉を2頭が追いかけるというシーンがあったのですが、ファンの声援が大変です。

「ほら、(鯉が)そっちに行ったよ」

「ゴーゴ、こっちが取りやすそう」

 でもゴーゴさんはうまく取れない。ファンはため息。

 一方バフィンさんは、いとも容易く鯉を捕まえると美味しそうに食べています。ファンからはブーイングです。


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 楽しい光景ではありましたが、バフィンさんがそんな扱い方をされるのは気の毒にも思えましたね。浜松からやって来た彼女は、新しい環境にも馴染み、普通に鯉を捕まえて食べている、ただそれだけなんですけれど……。

 しっかりもののバフィンさんにボケをかますゴーゴさん、見てて飽きない、なかなか魅力的なカップルでした。

 この続きは次回で。


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 前回、読者の方にお出ししたクイズの答えです。

 解答は、浜松動物園のアミメキリンの赤ちゃんの名前は、生まれた年に活躍したスポーツ選手▪関係者からつけられる、でした。センイチさんは星野仙一監督から、マオさんは浅田真央さんからいただきました。他のきょうだいは誰からなのか、推理してみてください。

 現在の浜松動物園アミメキリンのお父さんの名前は、プロゴルファー石川遼さんから頂いてリョウさん。その子どもはゴロウマルさんと名付けられました。どなたの名前からいただいたのかは、もうお分かりですよね。