osa5635’s diary

動物と動物園のお話

超年上妻から年下嫁へ


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 天王寺動物園ホッキョクグマ、ゴーゴさんのお嫁さんとして、浜松市動物園からバフィンさんがやって来たのは2011年3月のこと。『ホッキョクグマ繁殖プロジェクト2011』の一環でした。このときゴーゴさん6歳、バフィンは19歳でした。ホッキョクグマの寿命がだいたい25歳ほどとされていますから、この時点でバフィンさんは高齢にさしかかっていたと言ってもいいでしょうか。一方のゴーゴさんはようやく思春期に入ったといったところですね。


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 プロジェクトの名前通り繁殖を期待してのカップリングでしたが、最初からうまくいったわけではありません。ゴーゴさんはバフィンさんに興味津々の様子でしたが、バフィンさんは関心がないように映りました。しかもゴーゴさんは彼女に対して母性を求めているようでした。時折バフィンさんに甘える仕草を見せることがあったのです。


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 それがバフィンさんは鬱陶しかったのでしょうか、威嚇を返したり、無視したり……。あるときなど、ゴーゴさんをプールに突き飛ばすこともありました。


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 ゴーゴさんはそんな彼女を怖がることもありましたが、それでもバフィンさんへの思いは薄れることなく、いえ、むしろ少しずつ異性としてとらえるようになったのかもしれません。バフィンさんの気持ちも変化し、やがてペアリングにも成功しました。


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 初年度は妊娠の兆候は見られなかったものの、その後もゴーゴさんとバフィンさんは愛を育んでいきました。

 そして2014年11月、ついに待望の赤ちゃんが誕生!女の子で、モモと名付けられ、たちまち人気者となりました。f:id:osa5635:20190517133615j:image

 ここからが急展開。

 まずゴーゴさんがブリーディングローンで、和歌山のアドベンチャーワールドに出張となりました。2015年3月のことでした。バフィンさんが天王寺にやって来た『ホッキョクグマ繁殖プロジェクト』もブリーディングローンのひとつです。

 ブリーディングローンとは動物園同士が相互に動物を貸し借りすることで、希少となってきた種の繁殖を目指すものです。モモちゃんが誕生したことでゴーゴさんの繁殖能力が評価された結果です。

 そのゴーゴさんと入れ替わるようにして、同年3月下旬、新しいホッキョクグマがやって来ました。ロシアのノヴォシビレルスク動物園出身、当時1歳半の女子です。今回も蓬莱さんのお世話になったので、ゴーゴーイチからイッチャンと名付けられました。


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 次いでバフィンさんが浜松市動物園に帰ることになりました。ブリーディングローンでは動物の所有権は元の動物園にあります。子どもについても基本的に元の動物園に帰属するようです。モモちゃんもバフィンお母さんと一緒に浜松に移ります。

 大人気だったモモちゃんと、当初はヒール的存在だったのが、いつの間にか甲斐甲斐しく子どもの世話をする立派なお母さんグマとして喜ばれたバフィンさん。最後の展示には大勢のお客様が集まりました。

 2016年6月、親子は浜松に帰っていきました。2019年5月現在、2頭は元気に暮らしています。

 そして2018年12月、ゴーゴさんが3年9か月の出張から帰ってきました。繁殖には成功しなかったもののゴーゴファンは大喜びです。

 ようやくゴーゴとイッチャンが揃ってくれました。そう、やっとゴーゴーイチとなったのです。

 イッチャンさんは生まれて初めて男子を見たことになります。最初は警戒していたようですが、最近はゴーゴさんに興味を覚え始めたようです。

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 ゴーゴさん14歳、イッチャンさん6歳。このゴーゴーイチペアに訪れる春が待ち遠しいです。


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ゴーゴさんの頭脳プレー 天王寺動物園のホッキョクグマ