osa5635’s diary

動物と動物園のお話

ありがとう!みさき公園 そして動物たち

この日になってしまった‥‥

 2020年3月31日(火)。とうとうこの日がやってきてしまいました。

 みさき公園がついに閉園してしまうのです。私は3日前から腰痛に悩まされていたのですが、だからといってこの日、休むわけにはいきません。もう、代わりの日はないのですから。昨日買ったサポーターを腰に巻き、痛み止めを飲んででかけました。

 南海電車みさき公園駅着。みさき公園の動物たちに会えなくなればこの駅に降り立つことはほぼないと思われます。見慣れた駅前ーーみさき公園の正面ゲートに続く1本道、この光景を見るのも今日が最後になるのでしょうか。

 たくさんのお客さんが続きました。やはりみなさん、馴染んだみさき公園の最後を見届けたいという思いなのでしょう。

 それにしても、みさ公園は新型コロナウイルスの影響をもろに受けました。当初は最終1か月を「大人の卒園式」と謳ってイベントを用意していたのですが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月末から臨時休園。3月24日に屋外施設のみ営業を再開したものの、大阪府の外出自粛要請のため28、29日が再び休園となったのです。それでもようやく30、31日は開園できました。

 入園券を購入し、これもコロナ感染防止のため体温計測と手指のアルコール消毒を受けて入園しました。入るとすぐに、「永年ご愛顧誠にありがとうございました」の横断幕と、巨大な卒園証書が掲げられています。その前で多くのお客様が記念写真を撮っておられました。

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感謝の横断幕

 さて、最後の撮影開始です。今日は動物たちを可能な限り全て撮りたい、さらに遊園地の模様も残しておきたいという思いで取り組みます。

 私にとってのいつものコースを一周します。まずはタンチョウからスタート。そしてホオジロカンムリヅル、アミメキリンプレーリードッグ、リクガメ、バードエリア、サル山、二ホンジカ、スマトラトラ、ライオン、ツキノワグマ、マーラ、アメリカンビーバーと押さえていきました。さらに元ゾウ舎のメモリアル広場、南米の森。子どもたちに人気のマイダルウェーブ(アトラクションの一つ)では水しぶきでカメラが濡れてしまいました。カンガルーとエミューの広場に移動。するとアカカンガルーの世話をしている女性スタッフの姿が目に入りました。彼女の静かな表情が印象的です。涙ぐんでいるようにも映ったのは私の思い込みが過ぎるのでしょうか。

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アカカンガルーと別れを告げているのかな‥‥?


 次いでシャイニースタジアムへ移りました。イルカショーはコロナ禍で人数を絞るためweb抽選による当選者のみの入場になっていました。それでも、外周からわずかに見えるイルカのジャンプを撮ってみました。スタジアム前のフンボルトペンギン、カリフォルニアアシカを撮影。

 来た道を戻る形で遊園地エリアに移りました。アトラクション設備、野外ステージ等を撮って、フラミンゴ(3種)、ロバ、チャップマンシマウマを押さえます。キリンの広場に戻り再び撮影。レッサーパンダ、ミーアキャットを撮ることで、私が撮影したかったものはとりあえず一通り押さえたことになりました。

 本日の撮影は、可能な限りすべてを撮っておきたいということで足早での園内一周となり、さすがに疲れがでました。ベンチで少し休みます。そうしていると、ミーアキャット他の飼育担当者さんが給餌のために現れました。彼とはすっかり顔なじみとなっています。少し話をしました。最終日の今日も休園になる可能性もあったとのことで、彼も開園できてホッとしているとのことでした。
 動物のラストはキリンが寝室に戻るシーンにしようと決めました。いつもなら16:30くらいにキリンたちが帰るのですが、今日はなかなか寝室への通路が開かれません。最後だからでしょうか、蛍の光が流れ始めた17:00を回ってもキリンたちは残っています。お客さんも大勢残っていました。17:30になり女性スタッフさんが柵が解放。キリン親子が自ら寝室に移りました。そして閉扉。これで最後なんだな‥‥。その瞬間は何とも言えない気持ちになりました。

 キリンたちに別れを告げ、出口方向に向かいました。大勢の報道陣の姿も見えます。芝生広場で飼育スタッフさんたちのお客様へのお辞儀が撮影できたのは幸運だったといえるでしょう。
 出口もギフトショップが閉まっておりゲート横から出ることになっていました。メインゲート前では人だかり。みんなセレモニーがあると期待しているんです。しかし「セレモニーは行われません」との放送がありました。コロナ感染の恐れがあるため大勢が混雑することを防ぐためでした。残念です。私を含め皆さんが心残りを胸に岐路に着くのでした。

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お客様に好評だった

 こうして、みさき公園63年の歴史に幕が閉じられました。

 私は撮影記録を残し始めてからは、みさき公園を34回訪問。記録前にも何度も訪れていますのでいったい何回訪れたのかは正確にはわかりません。さらに途中6年間のブランクがあります。それがなければもっと回数は多くなったいたはず。もっともっと撮影したかった。今はそんな後悔、悔しさがあります。でも、たくさんの思い出ができました。一つひとつが宝石よりも私の胸の中で輝いています。

 ありがとうございました。みさき公園、そして動物たち。

 話ができた飼育スタッフさんによると、動物たちは4月以降少しずつ受け入れ先に移動するとのこと。元気でね、みんな。そして新しい生活にすぐに馴染んでほしい。必ずみんなに逢いに行くからね。

 


さらばみさき公園 また会おう動物たち